ロマンチック遊戯

放送作家・西野直樹の、アンティーク、ノスタルジー、幻想、フレンチ雑貨、散歩、和のこころ、大正ロマン、昭和レトロ、旅、絵本、猫、乙女スポット、カフェ、アート、そんな日々。

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   11.26.Thu ロートレック・コネクション

先日は「ジョナサンでも分かるアート」の取材で
渋谷「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開催中の
『ロートレック・コネクション 愛すべき画家をめぐる物語』へ。
(放送は今週木曜のMXテレビ「5時に夢中!」17時〜)

19世紀末のパリで活躍した画家・ロートレックと
彼と交流のあった同時代の画家たちの作品展。

舞台の中心は、パリ郊外の歓楽街として芸術家たちが集う
熱気溢れる地区・モンマルトル。
そこでキャバレーやダンスホールのポスター文化が花開き、
ポスターが初めて芸術の域にまで高められました。

個人的にもロートレックのポスターはパリへの憧れを喚起させる
大きな要因だったし、モンマルトルの街歩きでも意識したし、
実際部屋に貼ってあったりするので、趣味ド真ん中な展覧会でした。

番組では、19世紀末のパリを代表するポスター画家
3人の作品を紹介しています。



1人目は「ポスターの父」と言われる、シェレ。

アートロート1

彼らしい、華やかな高揚感に溢れた、明るく軽快なポスター。
これは、現在もモンマルトルにあるダンスホール
「ムーラン・ルージュ」が開店した時にシェレが描いたもの。

でも自分がムーラン・ルージュに行った時、
素敵過ぎるこんなイメージのハードルアゲアゲで観たものだから、
ショーの粗さや観光客目当ての商売っぽい感じが目についてガッカリ。
でも「この当時のムーラン・ルージュ」という
体験できない過去への憧憬は色褪せることはありません。
ロマンチックは裏切らないのです。





そして2人目は、スタンラン。

アートロート2

これは「シャ・ノワール」、つまり『黒猫』 という名のキャバレーの
ポスターで、今もパリのお土産屋で必ず目にする絵。

彼は「猫のスタンラン」と言われるほど
猫の絵を多く描いた人で、
猫好きなら必ず知っておかなければニャらないのです。





そして3人目はロートレック。

アートロート3

シェレの後に抜擢されたムーラン・ルージュのポスター作品。

「ムーラン・ルージュ」ってしつこく3回書いてみたり、
主役や文字を引き立てる効果的なシルエット、
絶妙の瞬間を捉えたダンサーの躍動感、
リズム感のある線と単純化された平面的な描写、
印象的な色彩、
それらを組み合わせた大胆な構図・・・
浮世絵に大きな影響を受けているそのスタイルは、
当時ポスターの概念を変えるほど斬新でした。

ロートレックは、ポスターの主役は美しく描くものという常識を捨て、
個性や特徴を強調して描いたことも斬新でした。

アートロート4

アートロート5

シュレやスタンランが輝かしい光の部分を描いたのに対して、
ロートレックは影の部分も描いていたわけです。

まさに浮世絵でいう写楽が、
西洋のポスターでいうロートレックなんですね〜。

う〜ん、でもそんな細かい話はわからなくても、
見ているだけで、
この頃のパリに行ってみたくなりません?

   11.18.Wed ユートピア 描かれし夢と楽園

先日は「ジョナサンでも分かるアート」の取材で、
丸の内にある出光美術館で開催中の
「ユートピア 描かれし夢と楽園」へ。
(放送は今週木曜のMXテレビ「5時に夢中!」17時〜)

“ユートピア(理想郷)”をテーマに、
古来より日本人が描いてきた「夢」や「楽園」の
イメージを鑑賞する企画展。



「吉野龍田図屏風」は

アートユートピア2

アートユートピア1


本来同時に見ることの出来ない
「春の桜」と「秋の紅葉」を一対の屏風にした、
現実を超えた幻想世界。

桜や紅葉は頭上にあるものだけど、これは屏風なので
横から包み込まれるように体感できる喜び。

構図に注目すれば、太い幹が画面に安定感を与え、
木を枠内に収めないことで、屏風の上にもこの風景が
続いているようなダイナミックさを感じられる。

花はつぼみから散ってゆくものまであり、
春から秋へと川は流れ、
川の上には葉が流れてゆく。
それらは時の流れを感じさせます。

時の移ろいを感じさせながらも、
揺らぐことのない満開の美。
まさに最良の時が永遠に続いてゆくような世界観。
う〜ん、圧巻!!






「美人鑑賞図」は

アートユートピア3

「オシャレで知的な美人がいっぱい」
「普通は見られない屋敷の中の密やかな空間」という
男心をくすぐる仕掛けが満載の、男目線のユートピア。

江戸時代の面長美人は天海祐希系、
丸顔美人は、鈴木京香系、
観音様は常盤貴子系だという話が印象的だった。
確かに!!


その他2点も紹介してますんで、お楽しみに!

   11.11.Wed 横尾忠則 東京Y字路 写真展


先日は「ジョナサンでも分かるアート」の取材で、
日本橋にある「西村画廊」で開催中の
「横尾忠則 東京Y字路 写真展」へ。
(放送は今週木曜のMXテレビ「5時に夢中!」17時〜)

アートY字路1

横尾忠則さんが2年半にわたって撮りためたという
東京のY字路写真は、全て無人の風景。
それはCGで消したものではなく、
人がいなくなるのを辛抱強く待って撮ったもの。

東京という都会で人を排除することで
「日常風景の非日常の瞬間」
「見たことあるような風景なのに、見たことない感覚」
が生まれています。

アートY字路2

それは、写真家個人の思い入れやノスタルジックな想像を拒否し、
客観的でY字路の本質であるフォルムが際立つ写真。

十字路は人間が理性的に作った秩序の象徴なのに対して、
Y字路は生理的に生まれた「その土地の記憶の痕跡」。

しかも、東京のY字路は、都市計画や関東大震災、太平洋戦争、
さらにバブルの開発などを経て、都市の隙間に生き残ったもの。

アートY字路3

想像を地理的にも時間的にも大きく膨らませれば、
Y字路は、すでに太古の時代から作られていた山の尾根に沿う形や、
川の分岐する流れのフォルムであり、さらには
日本列島そのものが地球規模でのY字路の現れなのかもしれない。

東京のY字路は、そんな遥か昔からの記憶の痕跡である日本列島の
小さな分身のようにも思え、横尾さんは1つ1つのY字路に
地球レベルの土地の記憶を感じているのだろう。

大雑把に言えばそんな感じの椹木野衣さんの解説に唸った・・・。

Y字路にロマンを持ち込むことはあっても、
こんな感性で見たことはなかったので、とっても刺激的だぁ〜!

   11.04.Wed THE OUTLINE 見えていない輪郭展

先日は「ジョナサンでも分かるアート」の取材で、
六本木・東京ミッドタウン・ガーデン内にある
「21_21デザインサイト」で開催中の
「THE OUTLINE 見えていない輪郭展」へ。
(放送は今週木曜のMXテレビ「5時に夢中!」17時〜)

家電なのにニューヨーク近代美術館の永久収蔵品に選ばれている
「MUJI」の壁掛け式CDプレーヤー、±0の加湿器、au/KDDIの携帯電話
などで知られる世界的プロダクトデザイナー深澤直人さんの作品を、
写真家・藤井保さんが撮った写真と合わせて展示中。

アート輪郭1


深澤さんのデザインは、
インパクトのある面白いものを作るという発想ではなくて、
そのモノが一番心地良く使えるデザイン。
今まで無意識に思っていた欠点に気付いて修正し、
新しいスタンダードを作ろうとしている。

まわりと一体となってより美しさを発揮する
自然の一部のようなデザインなので、
その本質を切り取る藤井さんの写真は
モノを含めた風景を撮ることになり、
ピントをプロダクトに合わせない
デザインの輪郭が溶けた写真が多い。




アート輪郭4

「トーストは幸せな形をしているから
トースターもトーストのような感じにしたかった」
と言っていて、小ささにもこだわったトースター。

2人の時に、どっちのパンを先に焼くかという会話になるのも
平和で幸せな風景だと思って、1枚焼きにしたそう。




アート輪郭2

全てが曲線でデザインされた、リラックスチェアの写真は、
粉雪が降り積もった山のような柔らかな素材感が美しい。




アート輪郭3

プラスマイナスゼロの加湿器は、
水の雫を針で突き刺したようなイメージだそう。

職人さんが手作業で形を整えて、真ん中の繋ぎ目が
見えないように磨き上げているというこだわりよう。

それは、人がイメージする水の雫の
“ぽにょん”としたフォルムやツヤが
このデザインの輪郭だから。



深澤さんデザインのモノは携帯電話とコーヒーメーカーを持っているが、
買うかどうかさんざん迷った末に買わなかった
(モダンデザインよりもレトロなフォルムを選んだため)
この加湿器がまた欲しくなってしまう・・・。


写真集にあった、
「現代は人の欲望で輪郭がブレているモノ達で溢れているが、
深澤さんのデザインは、人工で自然を探すことで生まれる
“心地よい輪郭”をしている」という趣旨の言葉も印象的。

   10.29.Thu エッシャー展

先日は「ジョナサンでも分かるアート」の取材で、
横浜・そごう美術館で開催中の
「迷宮への招待 エッシャー展」へ。
(放送は今週木曜のMXテレビ「5時に夢中!」17時〜)

オランダの版画家・エッシャーは、
視覚トリックを駆使した不思議な世界であまりにも有名。

アートエッシャー4


子供の頃から教科書とかCMとかで見たことあったし、
大学時代、部屋にエッシャーのポスターを貼っていたこともあり、
改めてちゃんと見られて嬉しい。




「昼と夜」

アートエッシャー1
 
田んぼの形がだんだんと白と黒の鳥に変化してゆく。
平面を分割して輪郭を作っていたり、
二次元から三次元へと変化させていたりと
エッシャーならではの試みがてんこ盛り。
ひとつの風景の中で、昼と夜がつながっている感じも幻想的!




「もう一つの世界」

アートエッシャー2

3方向の視点からの描写が1つの絵の中に組み合わされて、
まるでパラレルワールドのような奇妙な空間。




「版画画廊」

アートエッシャー3

絵の中の世界と画廊がつながってる異次元空間。
柱の格子パターンが観る人をうまく錯覚させています。



へぇ〜と思ったのは、観る人を迷宮へと誘うこの不思議な世界は
スペイン・グラナダにあるアルハンブラ宮殿の幾何学模様に
大きな影響を受けたということ。
アルハンブラってやっぱり凄いんだなぁと改めて実感。

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